マーケットニュートラル投資の世界 ― ヘッジファンドの投資戦略 (ウィザード・ブックシリーズ)



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マーケットニュートラル投資の世界 ― ヘッジファンドの投資戦略 (ウィザード・ブックシリーズ)
マーケットニュートラル投資の世界 ― ヘッジファンドの投資戦略 (ウィザード・ブックシリーズ)

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ヘッジ・ファンドの投資スタイルについて学問的に書かれた本です

本書は、ヘッジファンドの具体的な投資手法について説明した専門書です。
大学では、本書を参考書として指定しているところがあります。若干高価ですが、バランス
良く一通りの内容を知ることができます。

ヘッジ・ファンドは、情報開示が少ないこともあり、一般には博打のような形で収益を
上げていると思われがちですが、実際には一定のファンダメンタル分析によった投資行動
を取っていることが多いとされており、本書では投資スタイルの型を順々に追い、各投資
形態が持つリスク※収益構造を説明します。

 ※「マーケットニュートラル投資」と題名にありますが、それはヘッジファンドの
  想定する市場構造の通りならば、市場リスクを持たない/減少させた投資構造で
  あるという意味です。全くのリスク・フリーになるわけではありません。

ファイナンスの基礎を学んだ読者ならば、オプションや空売りによる、具体的な利益の上げ方
のイメージがつかめ、ヘッジ・ファンドについて学問的・分析的な見方ができるようになる
でしょう。

また、ヘッジ・ファンドは、常識的とはいえ、特定の経済的状況・価格形成を想定している
(例えば、残存期間が近接する同種債券間の価格は、もし乖離しているならば徐々に収斂
していく)ため、市場が一時的に混乱して前提が崩れると、一気に倒産・清算することが多々
あります。その最大の事例として有名な、LTCMの手法も若干取り上げています。

なお、本書は読者として、リスク資産の価格変動及びオプションや先物についての基礎的な
知識が求められます。以下の内容は説明なしで出てきますので、事前に理解している必要が
あります。ファイナンスの知識が全くない人を対象にした本ではなく、専門書ですので注意
された方がいいでしょう。

  1.感応度の異なるリスク資産を組み合わせて持つと、個別に持つよりも
   収益を落とさずにリスクを減らすことができ、そのリスク最小となる
   点をつなぐと、有効フロンティアと呼ばれる線ができる。
  2.その線上の頂点;リスクが最小の点が一番よい「わけではなく」、人々の
   期待効用最大の線と、有効フロンティアが交わる点が、最適解となる。
    ※「多少ならば」リスクがあっても期待収益率が高い方を好むため。

  3.転換社債の価格は、現在の株価が行使価格よりも低くても、社債部分以上の
   価値を持つ。これは、転換部分が、オプション価値として値付けされ、
   価格に上乗せされているため。

本書と合わせて、実際のヘッジ・ファンドの破綻例として有名な、LTCMの事例を扱った
「最強ヘッジファンド LTCMの興亡(日経ビジネス人文庫)」を読まれることをお勧めします。
同書は、一般的な読み物の範囲を超え、同ヘッジ・ファンドの投資形態の変遷や、ヘッジ・
ファンドが取引で使う業者の動向についてかなり細かく追っていますので、学問的な興味が
ある方にも有益でしょう。
ヘッジファンドの運用手法に関心のある人にお薦めです

 マーケットニュートラルというタイトルでは、何の本だか最初、あまりピンと来ませんでした。サブタイトルは「ヘッジファンドの投資戦略」。これで本書がヘッジファンド関係のことについて書かれた本だということがわかります。近年では、資金運用担当者の間では、ヘッジファンドなどへ投資するオルタナティブ投資(代替的投資といった訳が多いようです)への注目度が高まっているようです。近年の機関投資家は株式や債券などへの通常の投資活動で十分なリターンを上げられなかったり、運用先の多様化といった課題に直面しているからのようです。さて、本書はそんなヘッジファンドの運用手法の中で、売りと買いを組み合わせてリスクを中立化する手法を解説した本です。本書では、債券アービトラージ、転換社債アービトラージなどなどを始めとして、いろいろと紹介されています。本書は個人投資家向けというよりは、オルタナティブ投資を検討している機関投資家の運用担当者向けの向けの本です。内容は比較的読みやすく、訳もこなれているので、ヘッジファンドに関心がある人には推薦できる1冊です。
投資戦略自体やマーケットニュートラル戦略のリスク管理に役立つ本

この2年間、一部の最先端・機関投資家が「マーケットニュートラル」のヘッジファンドに投資したという話題が新聞に掲載された。最近は、個人投資家向けの投資信託で「マーケットニュートラル」を採用しているファンドも出てきている。本書は読みやすい内容であることから、読者対象としては、運用関係者だけでなく、基金の関係者や銀行・証券会社の営業担当者、個人投資家、学生など様々であろう。

本書には2つの利点があると思う。1つは、この投資戦略自体を学べるという点、もう1つは、それぞれの戦略の特性を知ることでリスク管理に生かせるという点である。特に後者は重要であり、投資している「マーケットニュートラル」ファンドが実際どの投資戦略を採用しているのか、そのリスクはどの程度見ておけばよいのか、判断するのにとても役立つと思う。

5,800円 ― 少し高いと思ったが、「マーケットニュートラル」の講演に行けば5万円はかかるという。本書の内容であれば、まあ割安だと判断できる。



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